「ライフハック」と聞いて、時々「役に立たない豆知識」を思い浮かべる方もいるかもしれません。この手のジョークは何十年も前からあるわけで、記事を書くときはいつもそのことを意識するようにしています。
だから、はっきり言っておきましょう。私はあなたのMacBookを「はかり」として使うことを推奨しません。でも、使うこと自体は可能なのです。
オンタリオ州を拠点とする開発者のクリス・シャー氏が、Macのトラックパッドを重量計に変えてしまうアプリを開発しました。そのアプリの名は「TrackWeight」。馬鹿げているけれど、私はこういうの大好きです。
【この記事のポイント】
・Macのトラックパッドに内蔵された感圧センサーを利用し、モノの重さを測るユニークなアプリが存在する
・この技術は、本来「感圧タッチ」のためにある隠されたAPIを応用した、開発者の遊び心から生まれたもの
・実用性は低いものの、身近なデバイスに秘められた未知の可能性と、発想の転換のおもしろさを示している
気になる使い方と、その精度は?
TrackWeightを使うには、まずトラックパッドに指を軽く触れ続ける必要があります。これは、Macのトラックパッドが指やそのほかの静電容量を持つものに触れないと起動しないためです。
コツは、まったく力を入れずに指を置くこと。私は、指の重みのほとんどをラップトップ本体に預けつつ、かろうじてトラックパッドに触れるくらいが一番うまくいきました。
使い方の手順は以下のとおりです。
- 片方の指で力を入れずにトラックパッドにそっと触れます
- もう片方の手でスペースバーを押し、表示をゼロにリセットします
- 重さを測りたいものをトラックパッドに乗せます

試しにいくつかのモノでテストしてみましたが、特に印象的だったのはブルーベリーの入ったボウルです。結果は、本物のはかりと数グラムしか違いませんでした。

「Magic Trackpad」(外付けトラックパッド)でも試してみたところ、同じようにうまく機能しました。こちらのほうが、はかりとしてはほんの少しだけ実用的かもしれません。
「感圧センサー」を活用した測定
なぜこんなことが可能なのでしょうか? 実は、Macのトラックパッドには感圧センサーが内蔵されています。
これは主に、「感圧タッチ(Force Touch)」のような機能のために、ユーザーがどれくらいの強さで押しているかを検知するために使われているものです。
トラックパッドを通常のクリックからさらに強く押し込む動作で「調べる」ツールなどを起動するとき、Macはこの感圧センサーを使っているのです。
クリス・シャー氏によると、Macには隠された(非公開の)APIがあり、アプリケーションがトラックパッドに現在加えられている圧力の量を検知し、その圧力を使って物体の重さを計算できるとのことです。
これは非常に魅力的なハックであり、現代のラップトップに私たちが知らないようなテクノロジーが埋め込まれていることを見事に示してくれています。
Source: krishkrosh, Github, Krish's Digital Jungle