AWSは最近、Amazon DocumentDB Serverlessの一般提供（GA）を発表した。これは、Amazon DocumentDBのオンデマンド自動スケーリング構成である。しかし、AWSが「サーバーレス」として市場に出しているが、真のサーバーレス提供にしばしば関連するゼロスケールモデルではなく、自動スケーリングモデルにより近いことを理解しておくことが重要だ。
Amazon DocumentDBは、MongoDB APIと互換性のあるフルマネージド型ドキュメントデータベースである（Amazon DocumentDB 5.0.0以降）。同社は、Amazon DocumentDB ServerlessをAmazon DocumentDBと同じMongoDB互換APIと機能で提供している。これには、リードレプリカ、Performance Insights、I/O最適化、その他のAmazon Web Services（AWS）サービスとの統合が含まれる。
AWS CloudのプリンシパルデベロッパーアドボケイトYanny Yun氏は説明する。
Amazon DocumentDB Serverlessは、DocumentDB Capacity Unit（DCU）で測定される新しいデータベース構成を導入します。これは、約2ギビバイト（GiB）のメモリ、対応するCPU、およびネットワーキングの組み合わせです。アプリケーションによって実行されるデータベース操作からのCPU、メモリ、およびネットワークの利用状況を継続的に追跡します。
（出典：AWS Newsブログ記事）
Amazon DocumentDB Serverlessは、マルチテナントおよび混合使用（読み取り/書き込み）シナリオを含む、変動するワークロードを持つ多様なアプリケーション向けに設計されている。AWSによると、この提供は数千のアプリケーションを運用する企業や、数百から数千のデータベースを管理するマルチテナント環境を持つソフトウェア・アズ・ア・サービス（SaaS）ベンダーに特に有益だ。
同社は、Amazon DocumentDB Serverlessを、監視がほとんどない高度なAIエージェントに最適なソリューションと見なしている。AIワークフローの予測不可能な特性により、需要が突然急増する可能性があるため、自動スケーリングが役立つ。例えば、旅行代理店がAIを使用して旅行を整理する場合、プロモーションイベント中にホテル予約、レンタカー、休暇活動を一度に探す多数のユーザーからのリクエストが急増する可能性がある。
AWS Serverless HeroであるLuc van Donkersgoed氏はLinkedInでコメントした。
AWSはDocumentDB Serverlessをリリースしました。変動するMongoDBワークロードがある場合には非常にクールです。しかし、再び自動スケーリングと呼ぶべきでした。最低サイズのコストが月額30ドルかかるため、サーバーレスではありません。
そして、フリーランスソフトウェアエンジニアTobias Schmidt氏はツイートした。
今、AWSには実際にコンピュートとメモリを自動スケーリングするMongoDB互換のマネージドデータベースがあります（残念ながらゼロにはスケールしませんが）。少なくともピーク時の過剰プロビジョニングや驚くべきトラフィックスパイクに悩まされることはありません。
MongoDB互換ワークロードの自動スケーリングへのこのアプローチは、異なるクラウドプロバイダーがデータベースに対してさまざまな「サーバーレス」機能を提供する競争環境の中でAmazon DocumentDB Serverlessを位置づけている。例えば、Azure Cosmos DBはMongoDB APIを使用して、アイドル時にゼロにスケールし、消費された操作に基づいて請求するリクエストごとの支払いモデルを提供する真のサーバーレス容量モードを提供している。対照的に、Google Cloud Platform（GCP）はゼロにスケールするネイティブのMongoDB互換サーバーレスデータベースを提供しておらず、ユーザーは通常、GCP上で実行されるMongoDB Atlasのようなサードパーティのマネージドサービスや、または自動スケーリング機能を提供するものの、異なる価格設定と運用モデルを持つセルフマネージドデプロイメントに依存している。
最後に、価格の詳細とリージョンの利用可能性は、Amazon DocumentDB Pricingページで確認可能だ。